歯の予防において、フッ素の利用はどのような効果がありますか?
2023.07.28
こんにちは、歯科衛生士の石川です。
皆さん、毎日暑い日が続いていますが、お元気ですか?私は少々夏バテ気味です。なので今夜は、来週の丑の日を前に鰻を頂く予定です。
さて、歯を失う主な原因は”歯周病とむし歯”ですが、今日は、このうちむし歯について、さらにその予防の強い味方であるフッ素について考えたいと思います。
A.むし歯はなぜできる?
食事や飲み物の糖分をプラーク(細菌の塊)が分解して作った酸で、歯からカルシウムやリンなどのミネラルが溶け出す「脱灰(だっかい)」がおきます。通常は、唾液が酸を中和し、溶け出したミネラルを歯に補給する「再石灰化(さいせっかいか)」が起きて、むし歯を防ぎます。ですが、この脱灰と再石灰化のバランスが脱灰に傾くと、むし歯になるのです。
歯からミネラルが抜け、スカスカの状態、むし歯の一歩手前の状態を「初期むし歯」といいます。この段階であれば、積極的なフッ化物の応用と適切なブラッシング、食事コントロールの組み合わせで、むし歯の進行が停止したり、修復が可能です。
B.むし歯予防の味方 フッ化物配合歯磨剤(フッ素入り歯磨き剤)
フッ化物配合歯磨剤は、
①初期むし歯を再石灰化で修復する
②歯のミネラルが溶け出さないよう歯を強くする
③プラークが酸をつくるのを防ぐ
働きがあります。脱灰しやすい食事後や就寝前にフッ化物配合歯磨剤でフッ素を供給しましょう!
C.フッ化物配合歯磨剤の効果的な使い方
①歯ブラシにフッ化物歯磨剤をつけブラッシングする。その後歯磨剤を吐き出す。
②約15cc(大さじ1杯)の水で、約5秒間ゆすぐ。
ここでのポイントは、ゆすぐ水を少なくして口腔内のフッ素濃度を高く維持することが大切です。
むし歯は歯科医院での定期的なプロケアとセルフケアで予防しましょう。