かかりつけ歯科医院での検診
2022.02.04
こんにちは。歯科医師の河村です。
みなさんはかかりつけの歯科医院で定期的に検診を受けていますか?
定期検診を受けている方は問題がある時だけ受診される方に比べて、将来に残せる歯の数が違ってきます。ある研究によると、その差は50歳ぐらいから次第に大きくなり、80歳では前者は23本以上の歯が残っているのに対して後者は7本という結果が示されています。
また、80歳時における平均残存歯数を国別でみてみると、スウェーデンでは20本、アメリカでは18本でしたが、日本は15本でした。定期検診率をみてみると、スウェーデンでは90%、アメリカでは80%であるのに対して、日本は5%とかなり低い水準となっており、残存歯数の差は定期検診率に比例すると考えられています。
ですから歯のトラブルを少なくして、一生ご自分の歯で美味しく食事を摂るためには自覚症状がなくても歯科の定期検診やクリーニングを受けることが大切なのです。
それではどのくらいの頻度で検診を受けるのが良いのでしょうか? 検診というと「一年に一回」というイメージを持っておられる方も少なくないと思います。病気の発見だけだと一年に一回程度でも良いかもしれません。しかし、歯科の検診は病気を発見するための検査だけでなく、多くの場合細菌の塊や歯石を取り除くスケーリングなどの口腔清掃(プロフェッショナルケア)も行います。この口腔清掃は一年に一回ではその効果がほとんどないとされており、3〜6ヶ月の間隔が推奨されています。