災害時の歯磨き

2021.03.30

こんにちは、歯科医師の田邉です。

風も温くなってきて、外を歩いていても気持ちの良い季節になってきましたね。

さて、東日本大震災から丸10年。家族や友人とあの日の話や、もし災害が起きたらといった話をする大切な機会です。また、最近も地震があちこちで発生しているので、いざという時のために震災対策の確認はしておきたいものです。

今回は災害時のお口のケアについて考えてみましょう。被災したらお口のケアどころではないとお思いかもしれませんが、これが非常に重要なのです。お口の中の汚れとは細菌の塊な訳で、それを放置してしまうと肺炎のリスクがどっと上がってしまいます。

特に高齢の方は要注意!被災時は環境の変化で免疫力の低下がしやすいですから、お口のケアをして少しでもリスクを減らしましょう。

ただ被災時は色々なものが制限されてしまうことが考えられます。もし歯ブラシがなかったら?もしお水がなかったら?入れ歯は付けっぱなしで良いの?

もし歯ブラシがなかったら、ティッシュやハンカチで歯や舌を拭って下さい。細くしたりしながら行えば細かいところもある程度綺麗に出来ます。

もしお水がなかったら濯ぐのはお茶でも構いません。量も少ししかない場合ブラシ後の濯ぐ際には一度に口に含まず少しの量で時間をかけて2回〜3回は行いましょう。

入れ歯の方はお食事が終わり次第、外して軽くブラッシングをして下さい。夜寝る時に関しては状況にもよりますが、ある程度落ち着ける環境なら外して寝る、そうでないなら付けて寝ても構いません。ただ、つけたまま寝ると細菌が繁殖しやすくなるので寝る前と起きた後はケアをしてあげてください。

もちろん被災時に備えるために歯ブラシやフロス、歯間ブラシや入れ歯洗浄剤など使い慣れている物を防災バッグなどに入れておいたり準備することが非常に大事です。液体歯磨きの少量ボトルを入れておいたりするのも良いでしょう。お口のケア用品は忘れてしまいがちなのでチェックしてみて下さい!

皆さんも良い機会なので他人事と思わず、今一度防災バックの中身など見直してみて下さいね!