正しい噛み合わせとは、どのような状態なのでしょうか?
2015.02.17
歯科医師の小山祐樹です。
皆様は正しい噛み合わせとはどのようなものかご存知ですか?
今日は正常な噛み合わせについて簡単に説明したいと思います。
奥歯の噛み合わせを横から見ると、上顎第一大臼歯の手前の咬頭(山になっているところ)が下顎第一大臼歯の中央の裂溝(くぼんでいるところ)に咬み込みます。その結果、下の歯は上の歯よりも歯半分程前に位置し、上下の歯の咬頭と谷(歯と歯の間)が咬み合います。(図1)
前歯の噛み合わせは、上の歯が下の歯を2mm程度覆います。ただし、上下の前歯は接触しません。(図2)
また、歯をすり合わせたまま左右に歯ぎしりすると、上下の犬歯(糸切り歯)だけが接触して、上下の奥歯にはわずかな隙間ができます。これを犬歯誘導といいます。(図3)
犬歯は歯根が長く非常に丈夫な歯です。また、犬歯は奥歯に比べて、顎関節からの距離が離れています。顎関節を支点として下顎は動きますので、顎関節からの距離が離れている犬歯のほうが奥歯に比べて、かかる力の負担が少なくなります。
奥歯は垂直的な力には非常に強くできていますが、横からの力には弱いため、歯ぎしりの時に奥歯が接触すると、歯が割れたり、歯を支える顎の骨が吸収したり、顎関節症が生じたりするなど、様々なトラブルが生じます。 そのため、犬歯の適切な咬み合わせは非常に大切となります。
ぜひ一度ご自身の噛み合わせをチェックしてみて下さい。わからないことや気になることなどありましたらスタッフまで声を掛けて下さい。