嚥下体操

2020.12.25

皆さんこんにちは。歯科医師の河村です。

コロナ禍のなか今年もわずかとなりました。

今回は嚥下体操についてお話しします。(嚥下)とは『飲み込み』のことで、舌やお口の周り、首などの筋肉を使って、食べ物や飲み物を喉の方へ送り込み、喉を通過した食べ物をさらに食道へ送り込む一連の動作を示します。嚥下体操は、その為に必要な筋肉の体操です。

嚥下体操を続けて行くことは、笑顔をつくることや、おしゃべりすることにもつながります。これは、使っている筋肉がほとんど同じためです。

嚥下体操を実施する1番良いタイミングは、お食事の前です。お口やほほを動かすことで、だ液がよく出るようになり、飲み込みやすく食べやすくなりますので、誤嚥を防ぐことにもつながります。『テレビをみながら』『お風呂に入りながら』でも良いでしょう。無理せず毎日継続していくことがポイントです。

嚥下体操は次の9つの項目で構成されています。

01. 姿勢
まずは、姿勢を整えて座り、全身の筋肉バランスを整えます。

02. 深呼吸
鼻から吸って、お口から吐きます。長く息を吐くようにしましょう。
嚥下体操を始める前に、気持ちや緊張した筋肉をリラックスさせます。

03. 首の体操
嚥下に関係する筋肉は、首に多く集中しています。
筋肉をゆっくり動かして筋肉をほぐすことで、食べる準備を始めます。

04. 肩の体操
息を吸いながら肩を引き上げて、スッと力を抜くように息を吐きながら肩を下げます。

05. 口の体操
お口の周りの筋肉をほぐし、動かすためのトレーニングです。大げさにお口を動かしましょう。

06. 頬の体操
お口の中に空気をため、ほほを内側から膨らませる筋肉のトレーニングです。しっかり噛むために、また、食べこぼし防止や、鼻へ食べ物が流れ込むのを防ぎます。

07. 舌の体操
食べること、そして発音をするために欠かせない舌。咀嚼時、嚥下時の舌の動きを保つことができます。

08. 発音練習
「パ」「タ」「カ」「ラ」と発音することで、唇や舌を動かします。唇、舌の動きを目的別にトレーニングします。

09. 咳ばらい
誤嚥した際に、むせるためのトレーニングです。
やりすぎてしまうと喉を痛めることもあるので2~3回程度でかまいません。

 

以上、すごもり正月に是非始めてはいかがでしょう。